神戸市西区 人工透析| 第二椋本クリニック | オンラインHDF iHDF

人工透析Dialysis

人工透析とは

腎機能が著しく低下し、十分な濾過機能が果たせなくなると、体中に老廃物が溜まり、身体の健康バランスが保てなくなります。その状態がさらに進行すると尿毒症と言われる状態になり、命の危険が及ぶこともありえます。 そこで人工透析を行い、老廃物や毒素などの尿毒症物質を取り除いて尿毒症を防ぎます。

人工透析とは、腎不全の末期症状において、低下した腎機能を人工的に代理する治療のことです。

血液透析(HD)

血液透析(HD:Hemodialysis)とは、人工腎臓とも言える血液透析器(ダイアライザー)を通して、血液を体内から取り出し、血液中の毒素や老廃物、余分な水分を取り除き、不足している電解質などの交換をして血液を正常な状態にし、きれいになった血液を体内に戻す方法です。

内シャント造設が必要

効率良くたくさんの血液を透析器に送り込むためには、血液を安全に体内から取り出せるように皮膚のすぐ下にたくさんの血液が流れている血管を作る必要があります(バスキュラーアクセス)。そのために、患者さんの前腕の腕時計をするあたりを走る静脈と動脈をつなぎ合わせる手術(内シャント造設)を行います。こうすることで、静脈の中に勢いの良い動脈血が流れ込み、透析に必要な血液量を確保することができるようになります。

内シャント造設の時期

一般的には血清クレアチニン値(腎機能を表す指標の一つ。クレアチニンは腎臓から排泄される老廃物の一種で、腎機能が低下すると、血中のクレアチニンが多くなる)が7.0mg/dLくらいになった段階で内シャントを造設し、透析開始に向けて準備をします。この時期については、患者さんの年齢や原因疾患、血管の状態などによって、それぞれ差が生じてきます。

HDF療法(血液濾過透析)

HDF(Hemodiafiltration)とは、通常の透析(HD)に血液の濾過(F)を加えた治療法(血液濾過透析)で、腎臓の働きに近い透析法と言えます。 HDFでは、濾過する量を増やすために補液をし、血液透析(HD)よりも濾過をたくさん行うことによって、血液透析では除去しにくい低中分子たんぱくと言われる物質まで取り除くことができます。また、腎臓の役目をする透析膜も高性能膜を使用することが可能で、老廃物を効率良く除去することができます。

オフラインHDFとオンラインHDF

このHDFには、オフライン方式とオンライン方式があり、それぞれオフラインHDF(off-line HDF)、オンラインHDF(on-line HDF)と呼ばれています。その違いは、主に老廃物を濾過するための補充液量の差です。オフラインHDFは瓶や補液バッグに入った薬剤を補液として使用するので、濾過するために足される補液量は少なく(8〜12L程度)、オンラインHDFは透析液をそのまま補液として使用するため、濾過のために足される補液量が多くなります(24〜48Lくらい)。

オンラインHDFのメリット

そのため、オンラインHDFのほうが、より多くの濾過を行うことができ、つまりはより多くの老廃物を取り除くことが可能になるのです。
また、透析を長期にわたって続けていると起こってくる合併症に透析アミロイドーシスがあります。これはβ2-ミクログロブリンを原料とするアミロイド線維が関節や骨に沈着して神経を圧迫することによって生じる骨・関節障害の総称で、手のしびれや、手指の動きの障害、肩の痛みといった症状が現れてきます。例えば、手首の靱帯や腱の滑膜にアミロイド線維が沈着すると、周囲に炎症が起きて近くの正中神経を圧迫するため、手指の痛みやしびれ、親指の動きに支障をきたします(手根管症候群)。オンラインHDFでは、β2-ミクログロブリンを積極的に取り除き、透析アミロイドーシスを予防することができます。
ただし、オンラインHDFを行うには、きれいな透析液を使用することが絶対条件ですので、厳重な透析液の水質管理が必要になってきます。

間歇補充型血液透析濾過(iHDF)

間歇補充型血液透析濾過(iHDF:Intermittent Infusion Hemodiafiltration)は、2012年の日本透析医学会で認められた透析療法です。透析膜を介して濾過・補充を断続的に行う新しいタイプの治療法であり、オンラインHDFの変法の一つです。

iHDFでは、透析膜を通して透析開始から決められた間隔ごとに間歇的(30分に1回程度)に自動的に逆濾過(血液透析器の膜を介して透析装置側から回路側へと流すこと)による補液を行います。しかし、補液された水分が体内に残留するようなことは無く、補液された水分は透析装置に設定された除水量に加算されて除水されるようになっていて、体内には余計な水分が残らないように、うまく調節されています。

iHDFのメリット

この治療法は血液透析(HD)と比較すると、末梢循環が改善され、除水に伴う循環血漿量の減少による血圧低下を防止でき、血圧が安定すると言われます。定期的な補充(逆濾過)により、透析膜性能の経時的劣化の抑制も期待されます。つまり、iHDFは透析中の末梢循環の改善や血圧の安定化、透析効率の促進が期待される治療法なのです。

透析液水質管理基準をクリア

iHDFでは、オンラインHDFと同様に透析液を補液として使用するので、日本透析医学会が定めた透析液水質管理基準をクリアする必要があります。当クリニックでは当該基準に準じてエンドトキシン測定ならびに細菌検査を行い、高水準の水質を維持しておりますので、ご安心ください。

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